◆お稽古のお菓子◆

2009年11月8日

”銀杏” ”口福まんじゅう”

2009.11.8 東京 中目黒 雅庵 ”銀杏(いちょう)”



茶人にとって、「茶人の正月」 とも言われる開炉の月の11月。
最初の亥の日に炉開きをし、ぜんざいや亥の子餅で祝うそうですが、
この月は、「口切り」 といわれ、茶壺の封を切り、今年の新茶を賞味する節目の月でもあるといいます。

お道具では、古来より三部、
『新瓢のふくべ(瓢箪)』、『織部』、『伊部(備前)』 の3点を取り入れながら、
正月と同じく、松竹梅や、松菊などお目でたいものに加え、
『柚や橙』、『柿』、『紅葉』、『銀杏』などの季節感を添えたものを、取り合わせるといいます。

この日は、お道具であるお茶碗と床を飾る香合を織部にしたので、
織部饅頭はやめて、『柚や橙』、『柿』、『紅葉』、『銀杏』のお菓子にしましょうよということになりました。

白羽の矢が立ったのは、菓匠【雅庵(みやびあん)】。
東京中目黒の少し奥まったところにお店があります。

店主は、大手メーカーの卸売りを手がける機械製造の和菓子屋さんの二代目。
大学卒業後、和菓子作りに真摯に取り組み、たくさんの賞を受賞しています。
その後2003年、直接お客様に和菓子を届け、その声を聞きたいと、季節の和菓子の販売を始めました。
翌年、父の経営する工場の一角に【雅庵】を開店。
素材を厳選し、手間ひまかけた和菓子作りを志しているそうです。
2008年8月には、"和菓子をより身近に感じてほしい”という思いから、
代々木上原駅前に、「miyabian cafe」 をオープン。
和菓子と対話しながら、創作をしている姿勢を感じます。

この日は、上生菓子「銀杏」をいただきました。
柚子風味の白餡、外郎製です。
上品な甘さで、抹茶の美味しさが引き立つお品でした。
また、色合い、姿が美しく、襖を閉め、趣き深くなる炉のある茶席にいい空気が流れました。
銀杏の黄葉をイメージさせる、はっとするような、新鮮な華やかさもありました。



2009.11.8 東京 中目黒 雅庵 ”口福(こうふく)まんじゅう”

   

西表島の「黒糖」を使用した一口サイズのお饅頭です。
お干菓子代わりにいいサイズのような気がいたします。
上品な甘さのこしあんです。

ひとくち食べて幸せな気持ちになるという意味の口福(こうふく)まんじゅうは、1箱 525円なり。
ちょっとした手みやげにも良さそうです。
パッケージ洒落ています。
賞味期間 2日。新鮮なうちが、風味もほどよい柔らかさも保てる時間だということでしょうか?
素材の生きた風情がエコな感じもいたします。

 




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