
桃林堂さんは、東京上野、芸大を谷中方面に散策すると、思わず足を止めてのぞいてみたくなるお店です。
以前からその存在は知っていたのですが、実は本店は大阪八尾であることを、
お茶を習い始めて、青山店でお菓子を購入するようになってから知りました。
風情ある上野店では、お抹茶で、お菓子をいただくことができますが、
本店八尾店ではお菓子をお抹茶は勿論、お庭を楽しむことが出来るそうです。
お店の名前は、「桃花源記」 という俗世を離れた理想郷のひとつの物語より命名されたそうです。
また、店名の前にある『風土菓』 の由来は、その土地の気候など、
自然の恵みによってなる菓子という意味をこめて名づけたものだそうです。
『風土菓』 という言葉はないのだそうですが、天地の恵みであるこの菜根果実を使って
自然の風趣と香味を菓子に再現したいという思いが表れた詞のようです。
いつもこちらのタイニィな上生菓子は、キュートな大きさや表現に関心してしまうのですが、
今回いただいた季節の上生菓子”蕪”は
中餡に、真っ赤なビーツを使用し、薯蕷煉りきりで包みあげてあるお品で、
割ってみるとその赤かぶの鮮やかな色が、驚きと共にお菓子作りの心意気さえ感じ、
”風土菓”も持つ意味が、自然の風味と香りをお楽しみください。
ということであるのだと、繊細なお仕事に、感じました。
今回は、縁高という菓子器でお菓子をいただいたのですが、
お菓子の大きさ、おわかりいただけるでしょうか?3.5cmくらいのものです。
黒の塗のこの菓子器にとても映え、蕪の葉の付け根部分の細工の細やかさにも再度感動!
お茶をいただく楽しみがいっそう増しました。
|