◆小物について◆
てぬ ぐいは、手を拭うことや風呂道具として、暮らしの必需品でありました。 江戸時代に誕生したてぬ ぐいは、木綿の染布として、重宝な存在だったようです。 たとえば、旅に出るときの七つ道具の一つで、二本以上携帯するのが常識だったようです。 傘の下に被る”ふきかけ手ぬぐい”と言った日除けにしたり、腰帯にもされました。 また、道中差しの柄に巻いたり、振り分け荷物の紐に、急場の包帯に、目印の旗にもしたようです。 髪を結い上げた時の、土埃をよける用途に使うだとか、 現代の帽子やスカーフのように髪を包むというスタイルが 町人のおしゃれだったこともあったようです。 またこの時代、江戸市民の言葉を、舞台で使用されるようになった歌舞伎が、熱狂的な歓迎を受け、 役者の手ぬぐいは、庶民の憧れでもあったといいます。 文化年間、七世市川団十郎が舞台の襦袢柄に用いて人気を呼び、 浴衣、てぬ ぐい柄に伝承された”舞台で、なにを演じても 「かまわぬ」 の柄は、 てぬぐい屋さんの名前にも使われているほどで、おなじみですね。 役者さんの家紋や、家の文様柄を創案されたてぬぐいがあって 伝承されていることは、とても魅力的に感じます。 今では、たくさんのてぬぐいの絵柄がありますが、その日本的で魅力的な意匠に心惹かれるものです。 私は季節ごとの意匠が施された手ぬぐいを、 玄関に額装して楽しんでいる他、着物姿の時はバッグにしのばせ、 食事の時のナプキン代わりに使ったりしています。 また、袂に入れておくと、何かと便利、ここから出して使うという行為も気に入っています。 噺家さんのように、懐から出して使うというような小道具的な所作が、 さまになるようになれればいいなと思っています。 こんな使い方の他、最近では、半襟に使ったり、(てぬぐいの寸法が丁度いいですね) これで、小ぶりの大津袋を作ることも可能です。 他にも、用途がたくさんあるかと思いますが、最近では、本当にたくさんのデザインものがあって、 そのテキスタイルを鑑賞するだけでも楽しいものです。 ◆手拭いモール◆開設いたしました!
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