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柚子の闘病日記・no48


6月19日金曜日
 柚子、12歳のbirthday。
余命2ヶ月と云われて…。すでに4ヶ月以上が経過している。
この日が迎えられるとは、本当に思っていなかった。
でも、どこかで、この日が目標だった。


チャイカは、14歳と9ヶ月で、甚兵衛は、9歳と11ヶ月で旅立ってしまったから、あと僅かという壁を越えて欲しいと思っていた。


今朝は起きた時、「やった~!」そういう思いだった。
起きてすぐ柚子に「お誕生日おめでとう」そう言った。


どんなにか、私達が寝ている夜の間に息を引き取っていたらどうしようと考えたことだろう。
逝ってしまうことを想像しただろう。


この一週間で、腫れていなかった方の目が、腫れている方の目と様相が変わらなくなった。
眼球が機能していないのが、医学的なことはわからないけれど、確認できる。
盲目の人の目を観察したことはないが、眼球は白み、何かを見るという神経が通っていると思えぬ目である。
何回か、眠っている時にまぶたが閉じないこともあった。


お散歩は、基本的にまだ一緒に連れて行っている。
毎日、今日はどうしようかと考えている。
その日の体調ということもあるが、みんな一緒、それが柚子にとって幸せでは…。と思い込んでいる。

家からすぐのところで小を済ます。
その後は、歩いてもぶつからないようなところへ連れて行って降ろしても、用を足してくれなくなった。

しかも、もう用を足す時の場所探し以外は歩かないし、たまにリードをつけて引っ張るとよろけたりしている。


17日の水曜日、部屋中を歩き回り、挙句の果てに洗面所まで行って、バスマットを相手に前足で穴掘りをしていた。
目が見えなくなってから、動き回る範囲は、ほんの5歩程度なのに、その日は違っていた。
オシッコかと思って、外に連れ出した。用を足した。
けれど、その後も同じ行動に出た。

そんな時、どんなに私の胸の中がざわざわするか…。

その後、gre が帰宅し、再度外へ連れ出してくれる。大をした。
「ウンチだったんだよ」と gre 。
そうだったのかもしれない。
でも、様子が、本当におかしかった。

以前のあったような、癌疼痛のようにも感じた。
交感神経と副交感神経のバランスが崩れていた時の様子にも似ていた。

いつもより時間が早かったが、安定剤を飲ませる。そして、数分後、落ち着く。

こんな様子の時が今週は頻発した。

排便のリズムも狂ってきた。


そして、朝の散歩、朝食、その後、落ち着かない。
外へ連れ出す。便をする。
安定剤を飲ます。しばらくして眠る。

昼前、かぼす、甘夏と一緒に散歩へ。勿論、抱っこ。ほとんどが寝ている。
体重が軽くなったはずなのに、かなり腕に堪える重さ。腕の中で、寝てしまうからのようだ。
オシッコする。でもこれもなかなかしてくれない。
させるまでが一苦労だ。かぼす、甘夏、辛抱強く待つ。

その後は、眠る。かなり深い。
腫れている右頬を下にして横になっていることが多い。
口が開いて、呼吸がし易いためのように思う。

きちんと寝返りはしている。熱くなるのか場所も変えている

夕食時は、呼びかけても起きない。
眠りが深く、食事をしてもらうためにまずはうがいからさせる。
シリンジで何回も水を送り込む。

ほとんどが流れ出すので、受け皿を置いておく。

その次は目薬を差す。

機能していない目からは、目やにがひどく出ていて、時にまぶたが張り付いて目が開けづらそうにしている。
この時まだ、半分寝ている。

口を動かすためにまずはふやかしたドッグフードを一粒づつほおりこむ。
仕方なくもぐもぐ…。そしてだんだんに目が覚めてくる。

食欲は衰えていない。これだけは救い。

食事が終るとカーペットの上へ降ろす。
すると、背中をこすり付けてゴロンゴロンとする。


この行為、元気な証拠と思っている。


夕方のお散歩。
ほとんどが抱っこ。
もしかしたら、負担なのかもしれない。
そう思いながら、毎日連れていっている。

最近、癌であることを告白した人たちからの視線が痛く感じられるようになった。
視線はお気の毒…。そう云っている。そんな態度が身に堪える。

普通に接してくれればいいのになと思う。

でも、変わってしまった柚子のその顔相や腕に抱かれて寝てしまっている様子は、悲しみを誘うものなのかもしれない。


その異変に気づき、どうしたのと言ってくる人が多い。

そして、癌でこういう風になってしまったというと、「そういうのアタシ弱いの」と言う返事が返ってきたりする。

辛いのは、柚子、そして、家族なんだけどな。


夜、柚子は爆睡していてご相伴はしなかったけれど、ご馳走を奮発した。

犬の誕生日なのに、ばかみたい。世間ではそう言われるな。


今朝、gre にリクエストしたケーキ。
 

5月の甘夏のお誕生日の時、gre は、”甘夏”という名前は人間らしくなく、犬のためにケーキを買うおばかな飼い主と思われたくなかったらしく、「なっちゃん」とbirthdayプレートにメッセージを入れてもらってきた。
誰もそんな風に思わない…と、その時のgreの心理、かなり笑えた。

今日はしっかりと、「Happy birthday 柚子」と入っていた。

悲しいかな、後でみたこの時の柚子との写真。
世話している時は、私の可愛い柚子、だけど、画面の中の柚子、やっぱり病犬だった。


たくさんの時間を一緒に過ごした大事な柚子。
あたし達を、頼りにしてくれ、そしてあたし達を、勇気づけてくれている。

ケーキもちょっぴりだけど食べた。

今日からは、神様が与えてくれた最後の時間。と思え、12歳に感謝した。
ささやかな願いが叶った。


  

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