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柚子の闘病日記・no62


7月19日日曜日
 何度も何度も抱きかかえて、柚子を感じて夜を過ごした。
4時過ぎから目が冴えてきて、5時半に起きた。
今日から、かぼす、甘夏とだけの散歩。
甘夏はgreが担当、私はかぼす。一人いないことの欠落感。

ウィリー君とママ、モカちゃんとパパに会ってしまう。
ママに「もう一人は…?」聞かれてしまった。
「昨日、亡くなったんです」と私。

きっとしばらくはこの質問と答えの繰り返しをするたびに、泣いてしまうんだろう。

今朝は、柚子の口中から出た出血や鼻粘液で汚れたタオルを洗うこともなければ、30分近くかけてあげる朝食もない。
面倒ではあるはずだったのに、一度もそれを苦痛だと思ったこともなかった。
逆にそのことがなくなったことの大きな寂しさを感じた。喪失感。

何かをやっていないと、思い出しては泣き…。を繰り返しそうだった。
greが考えていたように、亡骸を見るたびに、穏やかに眠るような姿は、胸をしめつけられた。

何度も、柚子の寝姿に、息はしているかしら?そばに行って確認した。
何かをしている時も気になって、見ていた。
お腹の辺りは大きく動いていた。
今日、それはない。
その姿は本当に眠っているようなのに…。

今朝、寝室のベッドからリビングのマットに移動する時に、死後硬直がなくなったことに気づいて、また柚子の存在がここにあるみたいなことを感じた。
抱いてあげると、居心地が良さそうにしていた。

午前中、火葬をしてもらう、駐車場を掃除した。
おくってあげる場所を綺麗に整えてあげたかった。

日中は、マットの上に横たわる柚子を感じていた。
その安らかな様子は眠っているようだった。

何度か抱っこした。
死後硬直がとかれて、身体はぐったりと首がすわらなくなっていた。
口からは、生前絶えず出ていた黒い血が出ていた。

亡くなる前にもっともっと抱きしめてあげればよかった。

散歩へ行く前の柚子へのごはん、今までは30~40分かかっていた。
それが今日はない。
散歩へ2頭で出ても、待っている柚子を気遣うこともない。
それが無性に悲しく感じた。
大変だったはずなのに…。
そのことが無くなってしまったことがとてつもなく空しく感じた。

かぼす、甘夏の散歩から戻るとgreは仕事から戻っていた。
二頭のガムtimeを任せて、私は柚子をまたしばらく抱かせてと頼んだ。
後、1時間で、柚子という存在とのお別れだった。

6時、移動火葬車が来た。
大きな紺色のバンだった。
結局、我が家の駐車場で火葬してもらうはずだったが、屋根があり、住宅密集地でもあるため、ここではできないとのことだった。
仕方なく、ベッドに寝かせ、タオルを掛けた柚子と私はその車に乗り、近くの公園の側道を案内した。

かぼすと甘夏を連れたgre、みかんを連れた義母がその場所に来てくれ、柚子をみおくった。

午後に、柚子が笑顔で楽しそうだった時の写真を出力しておいた。
greと添い寝する柚子。
アタシの膝にいる柚子。
2頭の子供、すだち、かぼすといる柚子。
みんなと一緒の柚子。
それと、大好きなおやつ、柚子らしい可愛い花束を抱えて送り出してあげた。

一旦、家に戻る。軽く夕食を済ませた7時半過ぎ、電話が入る。
火葬が終ったとのこと。
今度は、ウチの駐車場にきてもらい車を停めてもらう。
後ろの扉を開け、そこにある炉から柚子は出てきた。

少し想像とは違っていたけれど、着てくださった方はとても真摯に対応してくださったし、家でお骨あげができたことが何より良かった。
最後のその姿は、もう柚子ではなかったけれど、家族がごく自然に柚子のその姿と対面できたように思う。

木曜日、獣医さんで、3,74kg.になってしまっていた柚子だったけれど、意外にもしっかりとした骨だった。
大きな骨壷を用意してくださったけれど、一ランク小さなものに変えていただいた。
我が家では、未だに、先代の犬たちのお骨を神様のように祀っているので…。
柚子は、チャイカと甚兵衛の隣に並べるつもりだった。

しばらくの祭壇はリビングボードの上にした。
生前の笑顔の柚子の写真を飾った。
私の娘、柚子…。


  

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