銀座の老舗「鹿乃子」は“鹿の子”の専門店です。
さすがに、丹精に仕上げられた餡はしっかりとしたお味で、最中の梅の形は、雅な感じがしました。
蓮の根から創り出されたお菓子は、仏の坐する蓮の葉に置く、露の珠の美しさをイメージしたものなのでしょうか?
蓮葉の梅雨に朝の光が投げかけられる時、珠の中には極楽浄土が宿るそうですが、
透明な飴色は涼しげで、口の中にぷるるんとひろがる食感も、涼感を呼ぶような気がしました。
桜の葉で包まれたその涼しげな外観も、塩漬けの桜の葉もイイ感じにマッチして、
みずみずしい味わいでした。
直中仙太郎さんのフレッシュさを、堪能できた水羊羹でした。
れんこんと和三盆で作った、この時季限定の和久傳の生菓子です。
ニ枚の笹の葉で包まれていて、いい香りがします。
箱の中ではたくさんの新鮮な笹に囲まれていて清涼感が漂いました。
和三盆の品のいい甘さとモチモチとした食感で。
つるりと口の中に運ぶと、爽やかな口当たりでした。
雅で、ちょっぴり贅沢感のあるこのお菓子は、少し冷やしていただいたほうが美味です。
かたくなった場合は蒸すと元のように美味しくいただけるそうですが、消費期限は4日間です。
箱に西湖のイラストのシール、演出もさすがデス。
古来の宮廷や武家の札式、故事などにちなんだ菓子で、宮廷への献上したものをいう有職菓子。 店名の横には有職菓子御調進所とあります”老松さんの活動は、
この儀式典礼にもとづく婚礼菓子、茶席菓子作りを中心にお菓子を通して、
京都の歴史と文化を伝えていらして、お茶やお菓子の世界にとどまりません。
学校教育現場に赴いて、菓子づくり講習会や、京都の文化に関する講演を行ったり、
海外での茶会、レセプション等における日本文化紹介コーナーを担当するなど、菓子に限らず、
伝統文化のすばらしさを伝えていくための、幅広い活動を行っていらっしゃいます。
「酔芙蓉(すいふよう)」とは、朝のうちは白く、夕方になるにつれてだんだん赤くなるという芙蓉の中でも珍しい花。
夏の風物詩とも言えるこのお花の特徴は、ハイビスカス属である花芯でしょうか。
その花芯と、花びらが赤くなるさまが、鮮やかな職人芸で表現されています。
餡は白小豆と手亡豆。甘さを控えめの上生菓子でした。
”老松”さんの手提げ袋。黒の松。赤の持ち手は、古き良きもののデザインなのでしょうか?素敵!
粟は使用していないようです。
生地が粒々としているところが、粟のように見えるから、粟羊羹としたのでしょうか。
農作物の収穫期でもある、豊穣の秋の到来を、象徴するお菓子です。
ふんわりとした口どけで、ういろうのようでした。
氷餅でお化粧して涼しげ、色は粟色というよりレモン色。
透明な美しい色は、瓢箪の別名『ふくべ色』。残暑の中の目に、爽やかに映りました。
しっかりした寒天菓子で、中の琥珀色の点は大徳寺納豆。
この納豆の風味が独特の香りを放ち、存在感がありました。
青瓢(あおふくべ)とは、俳句の世界では秋の季語ですが、茶道の世界では8月の銘として使うようです。
古来より、その形を愛でられてきた夕顔の仲間で、
飲料の容器として、また縦に割り杓文字や柄杓としても使われ、
また、災難除けの呪具としての意味もあるそうです。
夏の夕方花開く夕顔。その実が瓢箪になりますが、白い花も風情があります。
紫野和久傳(むらさきのわくでん)の、典座料理(てんぞりょうり)の「典座」とは、
本来禅寺で、僧たちの古より食した人が、健やかになるよう心がけて、食事をつかさどる役のことを、言うそうです。
お店では、そのような典座の思いにならって、動物性の食材を一切使わず、
よき水、よき土で育った野菜を中心に調理し、 滋味滋養をまっすぐお届けするためのひと手間を惜しまず、
心身を健康にするお食事を「典座料理」としてお出ししているそうです。
その京都・大徳寺の門前に、静かにたたずむ『紫野和久傳大徳寺店』では、
各種「おもたせ」をお取り扱いしていらっしゃいます。
こちらはその一つ。
紅花のイラストが描かれた包装で紙箱に12個 で1,050円なり。
写真では、本来の紅の色、撮れませんでした。
美しい天然の淡い紅色です。
輪が9つのものと傳の文字、要するに“和久傳”という意匠。
洒落ています。
染司よしおかさんの工房で造った天然本紅を、上質の和三盆と合わせて、仕上げた口どけのよい紅色のお干菓子。
紅花は染料の他、高血圧などに効く和漢薬としても、知られています。
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