花びら餅とは、丸い餅(あるいは求肥)に紅の菱餅をのせ、
味噌餡と甘煮した牛蒡を置き、半円形に折り畳んだもので葩餅とも書くそうです。
形は、皇室の正月行事におせち料理やお供え、配り物として使われる菱葩に由来しているそうです。
江戸時代までは宮中内でのものだった由緒あるこの菱葩が、
明治時代、裏千家11世玄々斎が宮中より許されたことで、
初釜の菓子として使われるようになったということです。
梅や桜の花びらに見立て、新春を祝う餅菓子は、
丸と菱の合体から子孫繁栄や太平の願いも表しているといわれています。
裏千家では独楽盆にのせて初釜に毎年使われているそうです。
白い餅から、薄紅色に透けて見える春の花をイメージしたという仙太郎さんの”花びら餅”は、
京都の白味噌を使用した、白小豆の味噌餡で味噌あん、ごぼう、にんじん羊羹を挟んだ断面も美しく、
添えられた桜の形の花びらも、迎春を祝うにふさわしいいでたちの生菓子でした。
|