菓子司 塩野の11月の季節の上生菓子は13種類。
お取り扱いは、日にちによって異なります。
8日の茶席で頂いたお菓子は、”武蔵野”という菓銘。
11月の紅葉をイメージしたもので、地名から取ったというお話でした。
”深山路”という銘で販売されているものと似ていますが、こちらは三層仕立て。
”武蔵野”はお茶会用に特別に作られたお菓子のようです。
上は浮島生地。下は羊羹のようです。
重ねて秋の山を表現したものですね。
ふかふかしているのですが、生地に漉し餡が入っている浮島は適度な重さがあります。
”浮島(うきしま)”は餡、砂糖、小麦粉に卵が材料です。
卵は卵黄と卵白に分け、卵黄には餡を混ぜ、卵白は砂糖でメレンゲを作ります。
その両方をあわせ、最後に小麦粉を加えて枠に流した後、蒸すという作り方ですが、
洋菓子のスポンジのようですね。
スポンジと違うところは、餡がはいっているところ。そのため、しっとりとした仕上がりなのでしょうか?
”浮島”とは、湖沼の水面を、漂流している小さな島のこと。
これが岸に漂着したり、湖底の泥が浮き上がったり、
あるいは、水深の浅い湖底に接して、決して動かなくなるような様を表現したものです。
最初に作られた時は、生地の上に胡桃を散らしていて、
その風情を”浮島”に見立てて名づけられたといいます。
製法は、蒸しカステラの生地に、餡を混ぜたのが、始まり…と言われているそうです。
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