◆お稽古のお菓子◆


2008年11月28日


たねや”雪囲い” 両口屋是清”古露柿” 一元屋 ”きんつば”

2008.11.28 滋賀近江 たねや ”雪囲い”



寒さ増す季節、草木や花が雪や霜に負けてしまわぬよう藁や菰(こも)で囲いをつくります。
【雪囲い】また藁囲いと呼ばれる冬支度です。
それを季節の彩菓として表現した、たねやさんのお菓子は、こし餡に栗餡製で
藁と雪を表現したものでした。栗餡は甘さも控えめで、まろやかな味わいでした。




2008.11.28 名古屋 両口屋是清 ”古露柿”


ころ柿を漢字で書くと「枯露柿」と書きます。
枯露柿とはいわゆる干し柿で、
名前の由来は、干している柿を農家の方が、よく陽があたって乾燥するようにと、
ころころ位置を変える作業をしたことからだそうです。

干し柿の名称としては、ほかに「あんぽ柿」というのがありますが、
渋柿を硫黄で薫蒸した干し柿を、あんぽ柿というのだそうです。

普通の干し柿は、渋柿の皮を剥いて殺菌後、天日干しし、
一ヶ月ほどで乾燥し、柿の周りが糖分が表面に白く結晶化したものですが、
あんぽ柿は、半生のような柔らかさで色もオレンジ色のままなのが特徴です。

今でも11月の終わり頃になると、
農家の軒先いっぱいに吊るされるどこか懐かしい景色を、見かけます。
初冬の風物詩ですね。

今年の両口屋是清さんの”古露柿”は、
小豆こし餡に干柿を練り込み「ういろう」生地で包んだものでした。
みかけも枯露柿というよりは、あんぽ柿に近いような気がいたしました。

昨年、同じ時期に両口屋是清さんの”古露柿”いただいたのですが、
そちらは、まさしく枯露柿。

柿の周りが白くなるこの枯露柿を、
皮は蕨粉製、中は干柿を入れたオレンジ色の餡で表現されていました。
毎年、形を変えるということに、発見もありました。

2008年の古露柿はこちらから




2008.11.28 東京麹町 一元屋 ”きんつば”




金つばは今や四角い形が主流ですが、本来はその名の通り、刀のつばを思わせる丸形で、
指で押し跡をつけ、つばの形により似せたものも作られていたそうです。
金つばが作られる前に京都で売られた餡入りの焼餅の銀つばという菓子があったそうですが、
その後江戸に伝わり、上方の銀貨幣主体に対し、江戸では金遣いだったためか、
小麦粉生地に替えたものが金つばの名で売られるようになったといいいます。

製法は今、寒天などで固めた餡生地に水溶きした小麦粉をつけて焼くのが一般的のようです。

きんつばといえば”一元屋”というくらい有名なんだそうです。
あずきの風味と色合いが生きる、一元屋さんの特製きんつばは
昔ながらの伝統的な製法を今も頑なに守っているそうです。
餡の小豆は北海道・十勝産の極上の大納言、
砂糖は大納言のまろやかな風味を損なわない純粋な氷砂糖を厳選しているそうです。

だからでしょうか?餡がピカピカしています。

つぶ餡がさらりとしていて甘すぎず、塩味が効いていて、口の中で甘さを変化させてくれます。
また外の皮が香ばしく、ただの“きんつば”でない主張をしていました。
三番目にいただいたお菓子なのに、美味しさにうなってしまいました。





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