◆お稽古のお菓子◆

2009年4月8日

たねや”五泉” たねや”さくら餅” たねや”若葉がさね” デカダンス・ドュ・ショコラ ”マカロン・プランタン

2009.4.8 滋賀 たねや ”五泉”

    
(写真は、お菓子を切り分ける前の姿です)

お稽古をした4月8日は、釈迦(ゴータマ・シッダッタ)が生まれた日だそうです。
灌仏会(かんぶつえ)という、お釈迦さまの誕生を祝う行事は、
降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、浴仏会(よくぶつえ)、
龍華会(りゅうげえ)、花会式(はなえしき)、花祭(はなまつり)の
別名もあるということです。

お釈迦さまが誕生した時、龍が天から飛来して、
香湯(ソーマ、アムリタ)をそそいだという故事に基づくものだそうですが、
日本では滋賀の三井寺、金堂で行なわれる内陣を綺麗な花々で飾った花御堂を作り、
その中に安置されたお釈迦さまの像に甘茶をそそぎお祝いする行事が有名です。

同じく滋賀に本店を置く”たねや”さんは、そんな所縁もあってのことか、
この日限定で、この”五泉”を販売していました。

お釈迦様を浴す甘茶ですが、元々は五種の香料を含んだ五色水が用いられていたそうですが、
故事にならって甘茶が使われるようになったようです。
この甘茶、漢方でとても高価なものなのだそうです。あまちゃづる茶とは別物。

たねやさんのこの歳時菓子は、その五色を染めた煉切で五色水を意匠していました。
実に可愛らしい。小豆を包んだ周りは香り豊かな薯蕷です。
棹物で切り分けていただくかたちですが、切った時のちいさなHAPPY感じるお菓子でした。
写真ではわかりませんが、キャンディーのように包まれたお菓子の両側は、
五色の糸で結ばれていました。




2009.4.8 滋賀 たねや ”さくら餅”



菓子盆にこのさくら餅をのせた時、頭巾をかぶったお顔のように見えて笑えました。
まあるく可愛らしい大きさで、塩漬けの桜は、鼻のよう…。

たねやさんの和菓子は、丁寧なお仕事で、その新鮮さにいつも関心します。
柔らかで、優しい…。
そんなお菓子を愛する心は、菓子を入れた箱にも反映されているような気がします。雅です。

しかし、さくら餅って、スゴい!
甘い餡と塩の効いた葉、昨今の塩ブームは、コレが原点ではないかと思うほど、
絶妙なコラボレーションです。

たねやさんのさくら餅もこの塩梅、素晴らしかったです。
道明寺の中の餡は、桜色の白餡。これがまた珍しい。
一口大で、幸せは一瞬でしたが、お口が喜ぶ一品でした。




2009.4.8 滋賀 たねや ”若葉がさね”

本日はほぼ、たねやさんづくし。季節の彩菓の中の一品です。
黄味餡、外郎製。
姿形から、なんだか平安時代をイメージしてしまいます。
十二単のお袖が、頭に浮かびます。春の色重ね。

さくら餅と同じく品のいい大きさで、柔らかに口の中で溶けていきます。
甘さは控えめ…。黄味餡は美味しいだけでなく、春色です。



たねやさんの他のお菓子、雪囲い蓮子餅どらやき


2009.4.8 東京 デカダンス・ドュ・ショコラ ”マカロン・プランタン

   

いつかマカロンをお稽古でお茶を点てて楽しみたいと思っておりました。
なかなか機会がなく時が経過していました。

マカロンを知ったのはいつだったでしょう。
今では、パティスリーやショコラティエでは、定番のお品になりました。
十数年前、日本ではあまり扱うことのなかった時に、友人がパリへ行くというので、
料理研究家上野万梨子さんが、自書『上野万梨子が出会ったおいしいパリ』でお奨めする
”ラ・デュレ”のマカロンを買ってきてもらったことがあります。
19世紀の創業のこの店はマカロンの発祥の地といわれています。
頂いた時の記憶は確かではないのですが、老舗の名を汚さないベーシックな味わいだったと思います。
数年前、新宿伊勢丹で出店していましたが、今は?

さて、本日のマカロン、ショコラ専門店の”デカダンス・ドゥ・ショコラ”のお品です。
このお店、代官山旧山手通りにある”マダム・トキ”の下あたり、やや離れた不便な場所にあったのですが、
そちらは閉店し、現在
渋谷マークシティ3Fにあります。
代官山店は、フランスの雰囲気のある店作りで、外観やアトリエが見える内装、とても素敵でした。
渋谷店もその名残、感じさせてくれる作りになっています。
専門は、カカオ豆の産地や品種にこだわった最高級のクーベルチュールや
厳選された素材を使った
チョコレート屋さんですが、最近はケーキ販売もされているようです。

この店のマカロンは、東急の春の折り込み広告に出ていて知り、
一緒にお稽古している友人にぜひにと頼んで実現しました。
上の写真、ご覧ください。ショップの袋もお洒落でしょ。

マカロンのサブタイトル名、プランタン=春です。ピンクは、桜、黄色は、菜の花のイメージでしょうか?
桜の時期、このピンクのマカロンは、他でもいくつかありました。
資生堂パーラーの製品は、柔らかい桜色のピンクでした。
こちら”デカダンス・ドゥ・ショコラ”のマカロンのピンクはパンチがあります。鮮やかです
原材料にはリキュールとあります。さくらのリキュールでしょうか?
黄色い方は、パッションフルーツ。こちらに挟んだクリームは、少しゼリー状。
酸味がキツいのかしらと思ったらそんなことはありませんでした。


そして、相性ですが…。抹茶×マカロン。かなりイケました(^_^)v
アーモンドパウダーと卵白のこのお菓子、甘さが結構しっかりしているので、
苦味のある抹茶がとても引き立ちました。




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