◆お稽古のお菓子◆

2010年5月30日

”空木” ”葛桜”

2010.5.30 香風 ”空木(うつぎ)”



これまで、上生菓子は、名の知れたお店のものをたくさんいただいてきました。
名店のもの、それはそれでお値段に納得のいく素材や意匠を凝らしています。
しかし、案外近くも、隠れた名店があるのかもしれません。

お茶室のある場所や、私やお菓子担当のMさんが住まう場所の近所に,
またまた素敵なお店を見つけてしまいました。

前回の 【東宮】さんと同じく
アシェット婦人画報社から出版されている茶事・茶会支度帖 にその店は紹介されていました。

そこには、世田谷の茶人に愛されている菓子処とありました。
店の名は、【香風】。
小田急線、祖師谷大蔵にあります。
意匠を凝らした生菓子を目当てに、通人のみならず遠方からも足を運ぶお客様がおられるそうです。

自由な発想が光るという評判通り、
5、6月に咲く 「卯ノ花」 とも呼ばれる”空木(うつぎ)”をモチーフにするあたり、一捻りを感じます。

緑の葉の中に白い合弁花 ”空木” が咲く姿を、可愛らしく表現しています。

外はきんとん製です。
淡い甘さで豆の香りがします。
中は粒餡です。風味豊かなこの餡は、大納言だそうです。

包装紙や、お箱にも心惹かれました。


ブログでも紹介いたしました。




2010.5.30 香風 ”葛桜”


夏に向けて、涼しさを演出する涼菓の季節。
初夏になると、
日本人が最も大切にする季節の移ろいを表現した品が店先に並びます。
和菓子は、特にこの目で楽しむという趣向に重きを置いているように思います。
素敵なことです。

”葛桜”。
葛粉で作った皮であんを包み、桜の葉で巻いたおまんじゅうのこと。
”葛桜” は夏の季語です。

透明感やつるりとした口あたりは葛ならではと言えましょう。
独特のプルプル感は動物性のゼラチンでは持ち得ない食感です。

風物詩を映した菓子を味わう楽しみ。
菓銘を聞いて菓子を楽しむ。
その季節を想像する。
この豊かな和菓子文化、本当に素晴らしい!


 




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