◆お稽古のお菓子◆

2010年6月27日

”羽二重餅” ”まばゆき” ”あまうめ”

2010.6.27 愛知 稲沢 松屋長春 ”羽二重餅”

名古屋ができる以前の尾張では、織田家を中心として茶の湯が行なわれ、
古田織部によって造られた天下三名席の一つ「猿面茶室」のおかげで一層盛んになったといいます。

その影響でしょうか?
名古屋からのアクセスも便利だという稲沢市にある松屋長春さん。

はだか踊りが有名で、尾張国府の創始とともに創建され、尾張国の総社とされた
国府宮神社(こうのみや神社)との関わりは深く、
こちらで行なわれる茶会のお菓子を創業当初からご注文いただいているということです。

この日のお菓子は、先生が持参してくださいました。
名古屋でご法事があり、お土産にこちらのお菓子をいただいたそうです。

ブログでも紹介いたしましたが、「とんねるずの皆さんのおかげです」の番組で、
この羽二重餅は、2007年、お土産ランキングで堂々2位を獲得し、
今では入手するために行列になるという、人気のお菓子なのだそうです。

松屋長春さんの羽二重餅(はぶたえもち)は、
手に取っただけでつぶれてしまいそうな柔らかなお餅です。
本当に、羽二重のように白くて滑らかです。
お餅の中には、丹波の大納言小豆の粒餡がたっぷり入っています。
口当たりは優しく、餡もさっぱりした甘さで、お抹茶のお味の引きたて役といった感じです。。

この日のこの羽二重餅、焼印は半円形を三重に重ね、波のように反復させた青海波(せいがいは)でした。
季節を意識したものだと思います。
他の季節はまた違う焼印がされているようです。

♪ブログ♪




2010.6.27 山形 乃し梅本舗 佐藤屋 ”まゆはき”



山形の梅を使った梅羊羹を、おぼろ煎餅で挟んだ甘酸っぱいお菓子。
『まゆはきを おもかげにして 紅の花』
芭蕉の句をモチーフにしたこの店の定番商品だそうです。


”まゆはき”とは、化粧筆のことだそうです。
おぼろ煎餅に描かれた一筆の紅のような意匠は、風雅です。

パッケージには山形の特産、紅花も描かれています。
乃し梅本舗佐藤屋さんは、乃し梅の本家本元。
山形では歴史ある有名な老舗だそうです。

この姿を見たときに、京都末富さんの”うすべに”を思いましたが、まったくお味は違いました。
こちらは、羊羹の餡ですから、弾力があります。
末富さんの”うすべに”は梅肉餡です。

「和菓子を季節で楽しむ心を大切に」
日本橋三越の”菓游庵” で、6月のお菓子として登場していた梅のお菓子の中から選びました。

ひと雨ごとに豊かに熟す梅の味わいは、うっとうしい季節にを爽やかにし、
だるくて重いカラダにエネルギーをもたらしてくれるような気がします。

「季節のものをいただく」
気候風土を大切に思い、折り合いながら暮らす日本人の知恵でもあるような気がいたします。


 



2010.6.27 和歌山 佐々木農園 富之助梅 ”あまうめ”



もう一つ梅の品です。
お中元にいただいたものを私が持参いたしました。

お菓子と書いてあったので、皆さんと一緒にと思いました。

紀州産完熟南高梅を使った梅製品とありました。
塩を一切使わず(塩分0%)で南高梅のフルーツの味と、
その姿をそのまま生かす方法で水飴と米酢で漬け込んだということです。

皮が薄く、果肉がねっとりしています。
大きな一粒。ジューシーです。

上の写真のパッケージの中にひと粒丸ごと、種もそのままに入っています。
パッケージは耐水にコーティングされていますが、梅の透かし模様が意匠化されて和紙のようです。
文字が、デザインされた絵と現代風に、黒の帯に配列されていて、お洒落です。

お抹茶との相性は、う~ん???といった印象ですが、
甘いお菓子を頂いた後のお口直しには、爽やかな甘さがさっぱりとしていいような気がいたしました。
夏に向けて、涼しさを演出する涼菓。
冷やしていただくと一層美味しさが増すそうです。


富之助梅は佐々木農園で作られている梅だそうです。

 




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