◆お稽古のお菓子◆

2008年10月17日


末富”光琳菊” 末富”山苞” 末富 ”花野”

2008.10.17 京都 末富 ”光琳菊”

和菓子の美の理念とされるのが、尾形光琳の意匠だそうです。
屏風や工芸品に描かれた、琳派の意匠は、菓子職人たちによっても、巧みに菓子に取り入れられていて
“光琳菊”もその一つなのだそうです。
はんなりとしたその姿は、京都らしさを感じ、実に可愛らしく、
頭道明寺粉という素材を使った、末富さんご自慢のそのお味は、
道明寺のお味に、新たな発見を見出せました。

道明寺粉は、大阪の尼寺・道明寺で作られたのが名前の由来だそうです。

最も粒の細かい「頭(かしら)は、
水でもどしやすくなめらかで上品な仕上がりが特徴だどいうことです。
関東の桜餅は、小麦粉の生地で餡をまきますが、京
都をはじめとする、関西の桜餅は、この道明寺粉を使っています。
他にも、京都の椿餅は、道明寺粉を使っていて、独特の食感が京都らしさを出しているといいます

今回は
新宿高島屋伊勢丹地下一階の”末富”さんにて、
お菓子を特別に、3種類予約させていただきましたが、
上生菓子は、通常は同じものが2個+1の3個入りのみ。しかも毎週金曜日だけの販売です。

ところが、このところのメディアでのご活躍の影響か!?
そのお菓子の販売が、火曜日と金曜日の週二回になりました。

この日いただいた3種のお菓子は、見た目にも美しく、お茶の美味しさを引き出し、
お稽古の時間を、より楽しく素敵な時間と、感じさせてくれました。
いただくお菓子で、点てたお茶が引き立つというのも、茶道の何よりの愉しみでもあります。

引き続き、こちらの上生菓子は季節ごとに、お稽古の席でいただきたいと思います。
さすがは、京都という場所で、茶席菓子を作ってこられた、老舗という思いがいたしました。

干菓子”うすべに”
干菓子”華ふうせん”



2008.10.17 京都 末富 ”山苞”


“山苞”(やまづと)とは、山からの便り、秋の収穫物の意味だそうです。
その実りの季節の栗を、小豆餡で包み、さらに薯蕷を外側に巻き込んだこのお菓子は、
棹ものを切った形での販売。

お饅頭の外側になる薯蕷を、この厚さでいただいたというのは初めてでした。

ふんわりした食感で、薯蕷、餡、栗が3つが口の中で奥ゆかしい主張をしながら交わり、
そのお仕事に、老舗の巧みな技を、感じた逸品でした。




2008.10.17 京都 末富 ”花野”
 
“花野”とは、草の花が一面に咲き乱れた秋の野のことで、秋の季語。
この季節の和菓子の銘に、多くみられるようです。
前回いただいた”源太”さんのお菓子の銘も”花野”でした。

こなし製で茶席菓子にふさわしい固さで、
お味もしっかりしていて目にも美しくバランスの良いお菓子でした。

こなし…漉し餡を薯蕷粉(または小麦粉)を加えて強く蒸し、
砂糖を加えながら手でもみこんで生地を生成。
硬さは薄い蜜などで調整。独特の弾力と風味があります。

京都独自の素材であり、
こなし生地を作るには熟練の技が必要だといわれています。
「こなし」 を上手にこなして、一人前の和菓子職人だともいわれるのだそうです。




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