金沢の諸江屋さんは、江戸時代末期の嘉永二年(1849年)に創業以来、
160年にわたり「金沢」と共に歩み続けている全国でもめずらしい落雁専門店だそうです。
今回は、我がお茶シスターズのお料理の専門家が、こちらをぜひにとお持ちくださいました。
お菓子に限ったことではありませんが、
その土地のものは、その土地に暮らす人しか、なかなか馴染みがないものです。
こちらのお菓子はこの金沢に暮らす方から享受されたということなので、その知名度がうかがい知れます。
落雁は落雁粉とよばれる糯米(もちごめ )の粉と砂糖、とくに四国の和三盆を使うそうです。
口のなかで、すっと溶けるほどけの良さ 、あと味のさらりとした甘さ、和三盆の味わいを引き出すには、
落雁を打つ方法にコツがあるそうです。
表面は硬く、中はふんわり、表面が溶けた時に口のなかで一気にふっと広がるように木型に叩き込む。
技術がものをいう作業のようです。
落雁は文化文政年間(1804~29年)に精巧さと華麗さの面では頂点に達し、
将軍家大奥の女中に好まれ、食べやすいようにごく薄く作られたそうです。
少し古くささの感じるお菓子のように感じるのはそういった歴史があるからかもしれません。
お干菓子はまず見て楽しむものと言いますが、いにしえ人の営みを偲びながらいただくのは、
五感を研ぎ澄まし、日本人の寂、侘の心を感じるということなのかもしれません。
金沢 諸江屋の落雁は、楽天で購入できます。
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