◆お稽古のお菓子◆

2008年12月16日

いと重菓舗”彦根路” 鶴屋壽”嵐山桜餅” 長久堂”きぬた”

 


2008.12.16  滋賀・彦根 いと重菓舗 ”彦根路”

彦根藩御用菓子司を務めた文化61809)年創業の菓舗。
元は糸問屋「糸屋重兵衛」でしたが、初代糸屋重兵衛の妻・ますが
夢のお告げで白髪の老翁から菓子の製法を教わり、菓子業に転じたと記録されているそうです。
また、彦根藩・井伊家御用達で、彦根藩から他家への贈答品の菓子も手掛け、
幕末の彦根の英雄・井伊直弼公がこの店の菓子「益寿糖」を腹心の
長野主膳に与えた記録も残っているそうです。

滋賀県東部にある彦根市、徳川家譜代最高の35万石を有していた
井伊家の居城彦根城は天守閣が国宝に指定されていることで有名です。
今年は彦根城築城400周年と言う事で、彦根市では様々なイベントが展開され、
そのキャラクターである【ひこにゃん】は、
3代藩主井伊直孝の招き猫のルーツとなる逸話から来ているということです。

棹もの菓子での販売で購入しましたが、
お店では一切れずつ包装した物も販売されているようです。


栗羊羹と薯蕷種の
2層となっていて、
羊羹部分は彦根城の石垣、
薯蕷部分は彦根の白壁の街並みを表現しているそうです。

甘すぎず、薯蕷部分は柔らかすぎず硬すぎずの食感で、
羊羹に入っている栗はしっかりとした歯ごたえでした。

薯蕷が傷みやすいということで、夏期は販売されていないそうで、
この時期にいただけるお菓子です。
原材料は小豆、栗、山芋、砂糖、小麦粉、かるかん粉、トレハロース、他


余談ですが、こちらの代表銘菓“埋もれ木”は、
安政の大獄で有名な、大老井伊直弼が、若き日を過ごした埋木舎から、名を取った
彦根を代表するお菓子で、
ニンテンドーDSソフト 「ご当地検定DS」 にも登場しているぐらい、有名だということです。

滋賀・彦根 いと重菓舗  ”彦根路”は、楽天で購入できます。



2008.12.16 京都 鶴屋壽 ”嵐山桜餅”

嵐山にある桜餅の店。
嵐山で、最初に桜餅をつくりはじめたお店で、桜餅ひと筋に研究を重ね、
おいしい桜餅をつくりつづけているそうです。
古来の製法を用いた関西独特の「道明寺糯(ほしいい)」を使い
塩漬けした伊豆の大島桜の葉で包んだ桜餅を、通年、販売しているそうです。

桜餅は、桜の名所として知られた江戸・向島(むこうじま)の長命寺が
発祥の地として
一般的に広く知られています。
享保2年(1717)、桜並木の落葉掃除に追われた同寺の門番・
山本新六が考案したとされています。
ですが、博物学者・南方熊楠(みなかたくまぐす)によれば、

桜餅はすでに天和
3年(1683)、京都に存在するということです。

江戸で桜餅が流行すると各地で真似をして作られるようになったそうですが、

関東は、小麦粉生地を薄くのばして焼いたものに餡をはさんだもの、
関西は、米の粒が見える道明寺生地が主流になったということです。
こちら鶴屋壽 の“嵐山桜餅”は道明寺製。


本来の色をそのまま生かし、餅特有の弾力と優しい食感を併せもっていて、

上品な甘さのこし餡が、塩漬けされた桜葉によって引きたてられている感じがします。

贅沢に二枚の桜の葉が使われているので、香りが口いっぱいに広がり、
やわらかな味わいがしっとりとなじみます。




2008.12.16  京都 長久堂 ”きぬた”
 
天保二年(1831)、丹波から都に出てきた初代・長兵衛は、
室町四条において、「新屋長兵衛」という屋号で京菓子の製造販売を始めたそうです。


銘菓”きぬた”は、嘉永六年(
1853)、初代が丹波に帰郷した折りに、
織り上げた絹をやわらげて、艶を出すために打つ砧の音に感じ入り、
考案したということです。


反物を象ったデザインで、芯の部分に羊羹を用い、
白い絹に見立てた求肥を巻き、和三盆をまぶしてあります。


紅羊羹は、歯ごたえが印象に残ります。
羽二重は固めで、モチモチした食感を作っています。
羽二重のような薄い求肥と紅羊羹の組みあわせと、
外側にまぶしてある和三盆糖もしゃりしゃりして、
独特の歯触りを生みだしているようです。

 こんな形での販売で、切り分けていただくのですが、
         
ノスタルジックで、和菓子らしいお菓子だと思いました。
(直径は4cm.ほどです)

また、この”きぬた”明治初年パリー万国博覧会に出展して賞を受け、
名実ともに京を代表する銘菓として、愛され続けているそうです。

京都 長久堂 ”きぬた”は、楽天で購入できます。



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